マンションやアパートの消防用設備点検で不在だと?
マンションやアパートといった共同住宅で消防用設備点検が義務付けられている建物は、設置されている設備によって入室での点検が実施されます。
しかし、入居者の都合や防災意識の違いで、点検日に不在・居留守など、点検できない部屋があることは珍しくありません。特に、平日の点検では不在が多いです。
消防用設備点検の不在時に、どのような対応がされるのか確認しておきましょう。
基本的には再訪問して点検できないか日程調整
共同住宅では掲示板に告知の張り紙をしたり、各部屋にポスティングしたりして、消防用設備点検の実施が事前に周知されます。
当日都合が悪いと連絡があった入居者には、点検の順番を変えて時間をずらすか、予備日を設けて別途対応するなど、基本的には全部屋で実施できるように調整します。連絡なしに当日不在でも原則は再調整です。
消防用設備点検は法令に定められた義務なので、室内に消防用設備が設置されている以上は点検しなければならず、不在だから点検しなくてよいわけではありません。
したがって、都合が悪い場合には、管理会社(賃貸で管理会社がなければ大家)に、日時をずらしてもらえないか相談してみましょう。
全部屋を点検できるとは限らないが…
入居者が多いと都合が揃いにくいのは容易に想像できるとして、実際には管理体制(危機管理意識)や個々の入居者に大きく左右されます。単身者向けとファミリー向けでも在室率は違います。
きちんとした点検業者なら、どの部屋が未点検なのか点検報告書(備考欄)に記載します。事実は事実として正しく報告するのが責務であるのと同時に、次回点検時でも前回の点検状況が把握できるようにするためです。
消防署しだいですが、点検できない部屋があまりにも多い場合は、再点検を指示される可能性がありますし、未点検が何回も続くと、正常動作しないリスクが高まっているのは間違いありません。
入室せずに点検できる設備もある
入室して確認する消防用設備は、主に「自動火災報知設備」と呼ばれるものです。自動火災報知設備は、熱や煙を感知すると異常を電気信号で受信機へ送り、音響装置で知らせてくれます。
天井などの高所に設置されているため、専用の器具(熱感知器なら熱源、煙感知器なら検査用ガスを取り付けた棒)を、自動火災報知設備に近づけて点検します。
他には、避難はしごがバルコニー(ベランダ)に設置されていると、室内を通らなくてはなりません。
ただし、一定の要件を満たす共同住宅には、インターホン(ドアホン)から遠隔試験できるタイプ(共同住宅用自動火災報知設備といいます)が設置されており、その場合は入室せずに点検できます。
また、避難はしごについては、上階から下階に降りるための避難器具なので、入室できた階から避難はしごを降りながら各階を縦方向に点検することは可能です(点検業者によって対応は異なります)。
不在なのに部屋へ勝手に入ることはある?
一般的に、災害や事故などの緊急時を除き、入居者に無断で部屋に入ることはありません。
緊急時とは、大量の水漏れ、火災、ガス漏れなど、入居者の承諾を待っていては他の部屋や共用部分に重大な影響・損害を与えるおそれがある場合です。
無断での立ち入りは明確なプライバシー侵害であるため、いくら共同住宅とはいえ、要件は極めて限定されているのが通常です。
例外的に、賃貸物件によっては、あらかじめ入居者の承諾を得ることを条件として、管理上必要な範囲で立ち入ることが賃貸借契約で定められているケースがあり、管理会社に開錠してもらい入室点検することはあり得ます。
いずれにせよ、勝手に入られる心配があるなら、管理規約や賃貸借契約を確認してみることです。
消防用設備点検にはできるだけ協力しましょう
本当に都合がつかないならともかく、「立ち会いが面倒だから」「部屋が汚いから」「知らない人を部屋に入れたくないから」など、点検を避ける理由は人それぞれです。
しかし、毎日使う設備はすぐ異常に気づきますが、火災が起こったときしか作動しない消防用設備に不具合があるとしたら、そちらのほうが怖くありませんか?
誰も火事を起こすつもりで生活していません。しかし、毎日のように火事は起きています。
いざという時、消防用設備が正常に作動するかどうか定期的に点検するのは、むしろ入居者のためであり、共同で使用している建物=入居者全員のためでもあります。
モラルの低い入居者だと思われかねない
多くの入居者が、自分のため・全員のために都合を調整しているにもかかわらず、一部の入居者が毎回協力しないのでは、やはり面白くないのが人情でしょう。
何度も続くと、厳しい管理組合では注意を受けるかもしれませんし、法令すら守る意識がないのに共同住宅のルールを守れるのかと思われるのも不本意ですよね。
どうしても点検が嫌なら、入室せず点検できる設備の物件か、戸建て住宅しか選択肢はありません。
せいぜい5~10分程度の立ち会いを拒んで、周りから白い目で見られるのは損だということです。


