防火対象物点検で知っておきたいキホン

消防法令の規定により、一定の要件を満たした建物の管理権限者(一般的には所有者が該当)は、防火対象物点検を行い消防署(消防長)へ報告しなくてはなりません。

防火対象物点検は、消防用設備点検とは別の点検であるため、対象の建物では両方の点検・報告が必要です。消防用設備点検よりも対象建物の範囲は狭くなりますが、未実施だと罰則もあるので注意しましょう。

防火対象物点検の対象になる建物

防火対象物点検の対象建物は、建物の用途と収容人数ならびに構造で判断され、次のどちらにも該当することが前提です。

【建物の用途】

  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場
  • 公会堂、集会場
  • キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等
  • 遊技場、ダンスホール
  • 性風俗関連特殊営業を営む店舗等
  • カラオケボックス、個室ビデオ店、漫画喫茶、インターネットカフェ等の個室型店舗
  • 待合、料理店等
  • 飲食店
  • 百貨店、マーケット等の物品販売店舗、展示場
  • 旅館、ホテル、宿泊所等
  • 病院、診療所、助産所
  • 避難困難者(要介護者・障害者等)を主として入居・入所させる社会福祉施設
  • 老人デイサービスセンター、認定こども園等の社会福祉施設
  • 幼稚園、特別支援学校
  • 公衆浴場のうち蒸気浴場、熱気浴場等
  • 建物の一部が特定用途(上記★)で利用されているもの
  • 地下街

【収容人員ならびに構造】

  • 収容人員が300人以上は全て点検対象
  • 収容人員が30人以上かつ特定用途(前記★)が3階以上または地階にある建物で、避難経路が屋内階段1つしかないもの
  • 収容人員が10人以上かつ避難困難者を主として入居・入所させる社会福祉施設が3階以上または地階にある建物で、避難経路が屋内階段1つしかないもの

※屋内階段が複数あっても間仕切り等で1つしか利用できない場合は1つとみなされます。

建物の用途はまだしも、収容人員ならびに構造は少しわかりにくいでしょうか。

収容人員には建物に出入りする客・従業者・入居者が含まれていること、特定用途(前記★)が3階以上または地階にある建物では、屋外階段があると点検対象ではない点に注意してください。

防火対象物点検を行うための資格

防火対象物点検には、「防火対象物点検資格者」という特別な資格が必要です。

防火対象物点検資格者になるためには、点検に必要な知識・技能を修得するための講習を受けなければなりませんが、講習の受講前提として、消防設備士をはじめとする防災関連の資格に加え、一定年数の実務経験も要件になっています。

つまり、防災のシロウトがいきなり受講して防火対象物点検資格者になれるわけではないので、防火対象物点検ができる点検業者への継続依頼が確実です。

防火対象物点検の期間と報告

防火対象物点検は、1年に1回実施して、点検結果を消防署へ報告します。

ただし、防火対象物点検には特例認定制度があり、認定されると3年間有効なため、認定継続中は3年に1回の報告へと変わります。

特例認定の基準は複数ありますが、基本的には過去3年間において消防法令での基準を満たし、義務(設備設置義務・点検報告義務・人員選任義務など)を果たしていることが中心です。

建物の管理権限者として、当然に順守すべき法令にしたがっていれば、それほど難しい認定ではありません。信頼できる点検業者を見つけることも重要でしょう。

1年に1回の点検コストが、3年に1回になると実質的に1/3となるのですから、建物の規模が大きいほど差が付きます。

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