特定建築物定期調査の「特定」って何?どんな調査?

多くの人が利用する建物ほど、災害時の被害が大きくなると推測されるのは当然です。

そこで、安全上・防火上・衛生上特に重要な建物として、政令または特定行政庁が指定するものについては、建築基準法で有資格者による定期的な調査・報告が義務付けられています。

特定行政庁とは

建築確認等を行う建築主事が置かれる地方公共団体のことで、地域の主要市は特定行政庁であることが多く、小都市や町村は主に都道府県が一括して特定行政庁となる。

この定期的な調査・報告が求められる建物を「特定建築物」と呼び、特定建築物を定期的に調査するのが特定建築物定期調査というわけです。

特定建築物定期調査の対象建物は地域で異なる

特定建築物に該当する建物は、百貨店、ホテル、病院、学校など数多くありますが、特定行政庁も指定できることになっているため、地域差が生じています。

例えば、政令で指定されていない建物要件(階数や床面積)について、特定行政庁が特定建築物定期調査の対象にしている例は珍しくありません。各特定行政庁が対象建物を細則で決めています。

したがって、特定建築物定期調査では、建物の所在地を管轄する特定行政庁のルールを把握していないと、点検に過不足を起こす可能性があるのです。

もちろん、点検業者は必要なら事前調査を行い、過去の点検項目などを確認したうえで点検するのですが、点検業者を選ぶ際は、地域の特定建築物定期調査に慣れた業者がベターでしょう。

特定建築物定期調査の点検項目と資格

特定建築物定期調査は、敷地と建物の全体を対象とするのが特徴です。

敷地及び地盤
沈下・傾斜、排水、通路等の確保、窓先空地、塀、擁壁など
建築物の外部
基礎の沈下・劣化、外壁躯体・仕上げ材、窓サッシなど
屋上及び屋根
劣化・損傷、パラペット、排水口、防火対策など
建築物の内部
防火区画、壁、床、天井、戸・常閉防火扉、照明、採光、換気、警報設備など
避難施設等
通路・廊下、出入口、屋上広場、バルコニー、階段、排煙設備、非常口・非常照明など
その他
特殊構造、避雷設備、煙突など

点検は一級建築士、二級建築士、特定建築物調査員でなければ行えません。

しかし、一般に建築士は設計や工事監理を主な業務としており、建築時に関わっていない建物について、特定建築物定期調査だけを請け負っているケースは少ないため、建築士または特定建築物調査員が在籍する点検業者への依頼が多くなります。

特定建築物定期調査の報告

特定建築物定期調査・報告は、基本的に3年に1回です。

ただし、建物の用途や階数・床面積によって報告周期は異なり、1年に1回の報告が必要な建物もあるので注意しなくてはなりません。

そして重要なのは、3年に1回なのか1年に1回なのかすら、特定行政庁で違いがあることです。例えば、飲食店が1年に1回の特定行政庁、3年に1回の特定行政庁のどちらも存在します。

このように、前述した対象建物だけではなく報告周期・報告時期にも違いがあるため、うっかり忘れて行政指導を受けないように気を付けましょう。

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